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合格者・企業インタビュー

OPCELで人材育成
ネットワーク仮想化技術(NFV)に欠かせないOpenStackの学習
標準的かつ体系的なクラウド技術の習得にOPCELを選択

プロフィール

KDDI株式会社 技術企画本部 技術企画部 企画グループ 課長補佐 小野 佑大さん(写真中央) プラットフォーム開発本部プラットフォーム技術部 主任 内海 卓也さん(写真左) プラットフォーム開発本部プラットフォーム技術部 主任 上村 真也さん(写真右)

1. 人材育成の背景 ネットワーク仮想化技術NFVにOpenStackが欠かせない

小野私は技術企画本部でモバイルネットワークやクラウド系技術の企画や戦略を策定する立場です。いま通信キャリアではネットワーク仮想化技術「NFV(Network Function Virtualization)」が盛り上がっています。従来、モバイルネットワークはベンダーが提供する独自の機器とソフトウェアからなる専用装置を組み合わせて提供してきましたが、NFVだと汎用サーバー上で仮想化マシンとして装置を可動させることができます。これは1つのパラダイムシフトとなっています。

このNFVを支える要素技術の1つにOpenStackがあります。これからNFVを商用化し、オペレーションを進めていく上でもOpenStack技術者は必要不可欠です。KDDIはネットワークのオペレーションや開発は長年続けていますが、OpenStackなどクラウド技術になるとまだ全社的に精通していません。ネットワークは分かるけど、クラウドはまだ疎いという状態です。そのため人材育成が必要で、技術企画の私が人材育成の計画を立てることになりました。2016年からOPCELを軸として技術者育成を推進しています。

人材育成で活用する資格試験としてOPCELを選んだのは、ベンダーニュートラルであり、且つ信頼性が高いからです。OpenStackには、ディストリビューターが提供する試験もありますが、OPCELは標準的で中立な内容を体系的に把握できるため、この資格に決めました。またOPCELはWEB試験ではなく、厳格な本人確認があり、セキュリティの高い試験センターにて受験するため、認定の信頼性も高いと考えました。

2. OpenStackの学習 OPCELがクラウド技術学習の入口 2年で大きく成長

小野私はOpenStackの実務経験はありませんが、サーバー運用部門でクラウドサービス保守を3年ほど経験しています。クラウド管理の基礎知識があったため、OpenStackはとっつきやすかったです。

内海現在はOpenStackなどクラウド基盤の開発をしています。元はモバイルネットワークのオペレーションが担当で、クラウドの知識も経験もありませんでした。異動を機にクラウドを学ぶ必要性が生まれ、OpenStackがクラウド学習の入門になりました。機能ごとにコンポーネントが分かれているOpenStackは、私にとっては知識を整理しやすかったです。

最初にOpenStackをオールインワンで自動インストールしたのですが、全ての機能が自動で入ってしまうので、構成をよく学べませんでした。OPCELを通じてOpenStackを勉強することで、コンポーネントや設定が理解できて、合格したころには結構知識がつきました。今では実務に生かせています。実は学び始めたのが入社2年目で、翌年には講師を担当することになり、一気に成長した実感があります。

上村私は開発部門で、OpenStackやコンテナなど新しいクラウド技術の検証をしています。元はクラウドとは関係なく、サーバーの上に乗ったアプリケーションの保守運用をしていました。より下のレイヤーをやりたいと希望して現在の部署に異動しました。そこから小野さんの人材育成の取り組みに混ぜてもらい、OPCELを学ぶことができたのでタイミングとしてすごく良かったです。

最初はOpenStackで疑問や問題があってもどこから手をつけたらいいのか不明でしたが、今ではそういうことはなくなりました。OPCEL取得後の大きな変化だと思っています。トラブルシューティングの切り分けもコンポーネントごとに考え、深いところまで見られるようになりました。元はアプリケーションなどアッパーレイヤー担当だったのに、こんなにクラウド技術にどっぷりになるとは思わなかったです。

3. 人材育成の取り組み 人材育成拡大 外部研修から内部研修へ

小野人材育成ではハンズオンをベースとした講習を実施しています。主な内容はOpenStackの概要、インストールと設定変更の実習です。1週間、みっちり勉強して資格試験に臨んでもらっています。

2016年はOPCELのアカデミック認定校である、NECマネジメントパートナーさんにて、OpenStack/OPCELの研修トレーニングを受講しました。1週間でOpenStack概要~インストール演習~OpenStackインストール済みの環境に対して、設定を変えて更に演習するといった、大きく3本柱でみっちり実機演習をしていただきました。昨年はその研修を、主にサーバインフラの開発部門が受講し、半数以上がOPCELに合格、認定を受けました。翌年の2017年は、人材育成の拡大を図るために、内部での育成へ変えました。社内研修とすることで、講義日程を柔軟に追加・変更でき、スケジュールの都合のつけづらい管理職などにも積極的に参加してもらえました。また、受講者の理解度に応じて柔軟にカリキュラムを変えることができたのも社内研修のメリットでした。
結果として、自宅で学習される管理職が出るほど熱心に取り組んでもらうことができ、幅広い層での浸透・レベルアップに繋げることができました。
若手もこのような管理職の方の影響を受けたと思います。
講義は、前年に受講と合格を果たした内海さんや上村さんなど5名が講師となり、テキストや環境構築も自前で用意しました。社内研修にしたことで、OpenStackどころかLinuxの操作コマンドに不慣れな方まで、幅広く受講者を広げることができました。その様な、いわゆる「畑違い」の方でも合格している人はいます。2017年はモバイルネットワークの装置の開発・検証・運用部門からも多く合格者を輩出することができました。

外部研修では時間節約のために自動インストールする方法が取られていたのですが、社内研修では手動インストールにするなど、とにかく受講者が手を動かして学べる様にテキストや環境を工夫しました。自力でコマンドを調べて、実行してみて使い方を学ぶ、という経験をした方が現場でも役に立つと考えたからです。

内海あちこちトラブルシューティングで怒濤の講習でした。

上村受講生により実習の進捗具合が異なるので、質問されてもどこで失敗しているのか分からず大変でした。その分、教える側として成長できました。

4. 成果

小野2年間で研修受講者は100名以上、OPCEL合格者はその半数以上。OpenStack技術者が増えたことで、社内で教え合うこともできるようになりました。

人材育成の取り組み前は、打ち合わせでNFVやOpenStackの話が出てきても知識不足で話がかみ合わないこともありました。専門用語の解説から始めないとならなかったりしましたが、今では外部の専門家とも対等に深いレベルまで話せる人が増えました。

内海元同僚である運用担当者などが、クラウドに興味を持つように変わりました。社内の積極性が変わってきた気がします。

小野通常、開発部門が構築したものを運用部門が引き継ぐため、運用部門としては引き継がれてから仕組みを学ぶ、とならざるを得ないところがありました。その運用担当が引き継ぎ前の技術に関して積極的になったのは大きな変化だと思います。個人的にうれしく感じています。当初からOpenstackの人材育成は会社全体の取り組みとしており、合格者はまだまだ足りないと感じています。目標としては現在の3倍程は必要と考えています。

これからOpenStackは「使えて当たり前」になっていきます。OPCEL合格者であれば新人、中途に限らず大歓迎です。今後KDDIが提供するサービスに向けて、自社の人材育成も進めていきます。

メッセージ

小野OPCELは試験範囲が広く、講師に教えてもらっただけでは合格が厳しい試験です。
受講者が自律的に学習するというのは、その技術に興味を持てないと中々できないので、とにかく手を動かして体験重視で育成することが大切だと思います。

内海やはりオープンソースの魅力は手軽に環境を作れるところだと考えてます。
クラウドの入門としても、勉強用の環境作成のためとしてもOpenStackを学び、OPCEL合格を一つの目標とすることをお勧めします!

上村IaaSとしてOpenStackを利用するだけの方々も、一度は手を動かしてOpenStackを構築してみてください。基盤としてのOpenStackの面白さにも気づけると思います。OpenStackの理解具合の確認のためにも、OPCELの受験もおすすめします。